仮想通貨取引所Coinbaseが 集団訴訟 で訴えられる

Coinbaseが 集団訴訟 で訴えられました。一部の利用者が規約の仲裁ポリシーは強制力を持たないと主張し、裁判所による救済を求めています。これに対し、Coinbaseは規約による仲裁を主張しましたが、判事は認めませんでした。これにより裁判所における訴訟が継続することになりました。

ケース:Bielski v. Coinbase, Inc., C 21-07478 WHA

仲裁規定はサービス提供者に有利すぎる仕組みなのか?

Coinbaseは米国に拠点を置く仮想通貨取引所で、100カ国以上でサービスを展開し、約8900万人の利用者がいる大手です。

契約が無理非道(unconscionable)の場合、裁判所は契約の履行を拒否することを含む様々なことができます。

カリフォルニアの州法では、契約条項がそれが作られた時点で無理非道(unconscionable)であった場合、それが強制されないようにできます。Cal. Civ. Code§ 1670.5(a)

今回の訴訟で、原告は、Coinbaseの利用規約に合意したものの、そこに書かれている仲裁合意はCoinbaseに大きく有利な内容のため、法的に無理非道(unconscionable)であると主張しています。

裁判所への提出書類によると、同様の状況に陥った人々のグループを代表しようとする原告は、もともと詐欺師が自分のCoinbaseの口座から3万1000ドル以上を盗んだ後に仲裁を望んでいましたが、Coinbaseからの反応はなく、仲裁の条件が不公正であることがわかったと主張しています。

この訴訟に対して、Coinbaseは規約に書かれている仲裁を強制しようと申し立てを行いますが、カリフォルニア州の裁判官は、仲裁規定が無理非道(unconscionable)であると発言し、Coinbaseの申立を認めませんでした。これにより、裁判所での集団訴訟が継続しておこなわれることになります。

別案件でも集団訴訟の標的に

先月、Coinbaseは、未登録の有価証券として暗号資産を販売したと主張する別の集団訴訟にも見舞われました。

ケース:Zubin v. Coinbase Global, Inc. (3:21-cv-07478)

このケースでは、3人が、2019年10月以来、Coinbaseが米国証券取引委員会に登録することなくデジタル資産を販売していると主張しています。

1933年証券法では、当事者間および公開市場で取引できるすべての証券または資産は、SECに登録されなければならないとされています。

メタバース弁護士の見解

仮想通貨ビジネスの場合、今回のようなユーザーからの訴訟リスクが考えられます。特に、アメリカの場合、Class  actionとよばれる集団訴訟という仕組みがあり、仮想通貨に関わらず様々なビジネスに対して過去5年間で600件以上も行われています。

仮想通貨・NFT関連では、未登録の有価証券の取り扱いに関する訴訟をここ最近目にすることが多く、今回のCoinbaseだけでなく、分散型の仮想通貨取引所であるUniswapNBA Top Shotを手掛けるDapper Labsも、同じように訴えられています。

規約に関する訴訟は過去にあまり見ませんでしたが、今回の判事の見解を見ると、利用規約にCoinbaseに似た仲裁規定が書かれているようなサービスの場合、今後似たような集団訴訟に巻き込まれる可能性があります。

利用規約のような契約書は長いですが、キーワードで検索すると関連箇所が簡単にわかります。

ちなみに、Coinbaseの利用規約にアクセスすると、現在の仲裁(Arbitration)に関する規定がわかります。Arbitrationというキーワードで探すと関連箇所がすぐにわかります。

規約をいつでも変えられるような権利を明記して、必要に応じて変えるようにしておくことは訴訟リスクの軽減にも有効です。

また、この訴訟への対応なのか、1月末に仲裁(Arbitration)に関する規約の一部変更がありました。

参考記事:Top Crypto Exchange Coinbase Hit With Class-Action Lawsuit

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