ランボルギーニが支援するGTレーシングチームが NFT を用いた自動車パーツの認証を始める

NFT の活用用途が増えることは今後NFT市場を拡大する上で重要になってきます。まだ技術的な課題は多いようですが、現実世界の自動車部品の管理をブロックチェーン上でできるのであれば、知的財産を含む様々な権利やモノの管理にNFT技術を適用できる可能性があるので、期待したいプロジェクトです。

NFT 技術をレース用の自動車パーツの管理に応用

ランボルギーニのモータースポーツ部門が支援するGTレーシングチーム、ヴィンチェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)は、NFTプラットフォームGo2NFTと提携し、レーシングカーの部品を認証するプログラムを立ち上げると発表しました。

VSRの元レーシングチャンピオン、ヴィンチェンツォ・ソスピリ氏は、彼らのチームがGo2NFTとブロックチェーンプラットフォームSkey NetworkでレースカーにNFT認証を構築すると言及しました。これにより、車のパーツの品質を監視し、保証することができ、「私たちのレーシングフリートのあらゆる部分を安全に認証・監査し、パフォーマンスを監視し、ソースを確認できるようになります。」とこめんと していました。

VSRは、カーパーツ以外にも、オフィシャルグッズやその他の製品にもNFT認証プログラムを拡大することを視野に入れています。チームによると、これにより、ファンがブランド品を購入する際に安心感を与えることができるようになるとのことです。

NFT を知財管理と保護に使う

Go2NFTの役員であるBoris Ejsymont氏は、知的財産の保護に関してブランドが直面する課題を理解し、「NFTは、ブランドとそのファンのために、より多くの信頼と透明性を生み出すことができると信じています。VSRとのこのプロジェクトは、世界中の愛すべきブランドにとって、このような多くの協力関係の始まりに過ぎません。」とコメントしており、NFTが解決策を提供できると考えています。

レース業界と暗号資産の業界のコラボが活発に

今年2月に、F1レーシングチームのレッドブル・レーシングは、暗号資産の取引所の Bybit と1億5000万ドルのパートナーシップを獲得しました。また、3月には、 Crypto.com が自動車メーカー Aston Martin のF1チームと提携しました。このような大型のパートナーシップをきっかけに今後もレース業界と暗号資産の業界のコラボが増えてくることが予想されています。

NFT技術を現実世界に用いる仕組みはまだ確立されていない?

今回のNFT技術の導入に関してプロモーション動画があったので、見てみましたが、詳細は示されておらず。具体的にどのようにNFT技術をパーツ管理に用いることで品質の監視や保証をするのかはわかりませんでした。

しかし、NFTの他にNFC(near field communication)も使うらしいので、想像するに、純正のパーツにNFCチップを搭載し、それを現場で専用のスマホアプリで読み取り、そこから得られたパーツのNFT情報をSkey Networkのブロックチェーンに記録し、特定のパーツに関連する様々な情報と関連付けを行うという仕組みなのかもしれません。

このようなNFTを始めとしたブロックチェーン技術を物理的な現実社会とリンクする仕組みはまだ確立されていないですが、今回のようなケーススタディを通して、実用的なレベルまで洗練することができれば、Bored Apeのようなprofile picture (PFP) NFT以外の用途が増えるので、さらなるNFTの普及に繋がります。

参考文献:Lamborghini-backed GT racing team to authenticate car parts using NFTs

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