[速報]  MetaBirkin NFT訴訟の判決が下る

今週、NFT(non-fungible token)に関する商標権侵害で注目されていたにMetaBirkin NFT訴訟に関して、判決が下されました。Hermès International SA (エルメス)は、デジタルアーティストのメイソン・ロスチャイルド氏が、ロスチャイルドの人気NFTコレクション「MetaBirkin」において、同社の人気ブランド「Birkin」の商標権を侵害しているとして裁判を起こしました。 審議の結果、陪審員はMetaBirkinsが実際にエルメスの商標を侵害していると判断し、ブランド側が勝利しました。

MetaBirkin NFTとは?

NFTとは、コピー、代替、細分化できないユニークなデジタル識別子です。 NFTはブロックチェーンと呼ばれる一種のデジタル台帳に記録され、販売や取引が可能です。 NFTの用途や特徴は様々ですが、デジタルアート作品として利用されたり、コレクターズアイテムとしてオークションにかけられたりするのが一般的な使い方です。 

今回の事件では、ロスチャイルド氏はMetaBirkinsと名付けられたNFTのコレクションをミントしました。 NFTはそれぞれ、フェイクファー(偽物の毛)で作られたバーキン・バッグ(エルメスの最も人気のある製品の1つ)をさまざまな色やグラフィックで表現したユニークな画像を特徴としていました。 MetaBirkinsの中には、モナリザやボブ・ロスの絵などが、フェイクファーに描かれたイメージもあります。 MetaBirkinsはRothschild氏のウェブサイトで見ることができます。

NFTによる商標侵害を主張した注目の訴訟

エルメスは、HERMÈS商標、BIRKIN商標、BIRKINトレードドレスの違法使用を主張し、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所にロスチャイルド氏を提訴しました。 同ブランドは、ロスチャイルド氏が自社の知的財産を無許可で使用することは、消費者の混乱を招くことは間違いないと主張していました。 近年、ルイ・ヴィトン、グッチ、ジバンシー、バーバリーなど、多くのファッション・ハウスが公式ライセンスのNFTを発表しています。 エルメスは、そのため消費者が、ロスチャイルド氏のプロジェクトがエルメス・ブランドによって承認されたものであるか、あるいはエルメス・ブランドと関連していると信じる可能性が高いと主張しました。

ロスチャイルド氏は、NFTコレクションは芸術作品であり、従って、Rogers v. Grimaldiで確立されたテストに基づき、バーキンの名称の使用は憲法修正第一条に保護されており、商標権侵害とは認められないと主張しました。 Rogersのテストでは、(1)タイトルが基本作品と何らかの芸術的関連性を持ち、(2)タイトルが作品の内容の出所について明確に誤解を与えるものでない限り、アーティストは芸術作品のタイトルに商標を使用できると定めています。

2023年2月8日、マンハッタンの連邦陪審は評決を発表し、ロスチャイルド氏の商標権侵害の責任を認め、エルメスに対し、NFT販売によって得られた収益11万ドルとサイバースクワッティングのための2万3000ドルを支払うよう命じました。 この事件は、これまでの事例がほぼ法廷外で和解していたため、NFTの商標に関する裁判の判決としては初めてのものでした。 多くのブランドオーナーやアーティストが、この事件の結果に注目しており、先例となる指針を求めていました。

NFTと商標保護の対象となるものの間の関連性が重要

この事件は、商品としてのNFTが現実のものと法的に関連しているかどうかという問題に答えを出したように見えます。 商標権侵害は、同一または混同するほど類似した商標が、同一または法律上関連する商品またはサービスに関連して商業的に使用され、消費者が商品の出所について混同するような場合に生じます。 例えば、同じ名前で営業している衣料品店と靴店に遭遇した消費者は、販売されている商品が法的に関連しているため、これらの企業が同じ会社によって所有されていると誤って判断する可能性があります。 エルメスやナイキのような「有名」ブランドを扱う場合、商標の希釈化請求によって商品の関連性を証明する負担が軽減されるため、事態は少し難しくなります。 しかし、有名でないブランドについては、まだ問題が残っています。そのためか、 多くのブランドが、NFTに関連する商標を新たに取得するためにNFT関連の商標出願が伸びています。

ロスチャイルド氏がMetaBirkinsをミントしたとき、BIRKIN登録は、革製品または模造革製品、すなわちハンドバッグのみを対象としていました。 では、デジタルハンドバッグは物理的なハンドバッグと法的に関係があるのでしょうか。 言い換えれば、消費者は、デジタル商品を、物理的な商品を生産しているのと同じ供給元と関連付ける可能性があるのだろうか。 この裁判によれば、少なくともそのブランドが有名である限り、消費者はそう考えるという結論に至りました。 将来の疑念を避けるため、エルメスは2022年8月に、デジタル・コレクティブルやNFTを含むデジタル仮想商品の長いリストを主張する商標出願を行っています。  

このケースはブランドオーナーにとって勝利ですが、商標とメタバースにまつわる多くの問題はまだ決定されていません。 また、本件は控訴される可能性が高いと思われます。 NFTの継続的な製造・販売から生じる知的財産権の影響について、裁判所とUSPTOおよび著作権局での継続的な議論の両方から、さらなる明確化がなされることを期待しています。

参考記事:Verdict Reached in MetaBirkin NFT Case

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