メタバース に関しては産業の明確な定義はまだないものの、特許データを見ると大手テクノロジー企業がメタバースの将来について明るい見通しを持っていることがわかりました。特にハードウェア系の特許を見ると、LGは2016年以降、メタバース特許の出願件数が最も多く、国別で見ると、出願した特許の57%は米国企業が占めていました。また全体では、特許の88%が米国、韓国、中国の企業によって提出されています。
メタバース =メタ社ではない
多くのメタバース批評家は、業界の成功の可能性をマーク・ザッカーバーグとメタ社がこれまでに達成したことに結びつけているようです。彼らの考えでは、メタバースについて最も発言力のある大手ハイテク企業が目標達成に苦労しているようなので、メタバースは明らかに夢物語であると批判しています。
しかし、FacebookがMetaにブランド変更するずっと前から特許出願という指標でメタバースを見てみると、メタバースはメタ社だけでなく、多くの大手テクノロジー企業が注目していることがわかります。実際、2016年以降に出願された特許に関して言えば、メタはメタバースレースをリードしてさえいないのです。
日経が発表したレポートによると、2016年以降にメタバース特許を最も多く出願したのは、韓国の電子機器大手LGでした。世界的な電機メーカーであるサムスンは2011年以来その地位を維持していて2位、メタ社はトップ10に登場する米国企業をリードして3位を占めました。
名だたるテクノロジー企業大手が メタバース に積極的な特許出願をしている
意外にもメタバースに対する最大の批判者の一人であるアップルがトップ10に取り上げられていました。アップルは、没入型コンテンツの追求と拡張現実ヘッドセットの開発を行っていますが、メタバースという言葉を拒否しています。
その他にも、世界ランキングで5位に入ったマイクロソフトのほか、米国最大のチップメーカーであるインテルもランクインしています。インテルがメタバースに関するヘッドラインを独占していないことを考えると、これも驚きです。
日本企業で言うと、トップ10に唯一ランクインしているのはソニーで、6位となっています。
全体として、メタバース特許を申請した上位20社は7,760件の特許を出願し、米国企業が約57%を占め、次いで韓国が19%、中国が12%、日本企業は8%でした。
特許の中身を見ると、ディスプレイの配色や半導体など、メタバースに関連するハードウェア技術が韓国企業の主要なターゲットになっていることがわかり、その一方で、4位にランクインした中国の大手ハイテク企業Huaweiは、画像やディスプレイ処理に関する特許を多数出願していました。
参考文献:LG, Samsung, Huawei build trove of metaverse patents: survey