NFT マーケットプレイスの月間 取引量 は年初来94%減少

NFT 市場も暗号資産市場と同様に氷河期に入ってしまったのでしょうか? 取引量 の減少はNFTの流動性にも関わるので心配ではあります。しかし、その反動からか、イーサリアムを中心とした取引にかかるガス代はピークからだいぶ安くなりました。

取引量は6ヶ月間で94%減少

The Blockのデータによると、NFTマーケットプレイスの取引量は、1月の166億ドルから6月には10億ドル強に減少しています。これは6ヶ月間で94%減少したことになり、暗号資産市場の大幅な下落がNFT市場にも深刻な影響を与えたことを示しています。

なお、年初のNFT取引量の多くは、NFTマーケットプレイスLooksRareにおけるウォッシュトレードによるものであったと思われます。ウォッシュトレードとは、ユーザー同士がNFTを取引し、不正にNFTの価格を吊り上げることです。

NFT と暗号資産市場に連動性が出てきた?

NFTは、6ヶ月前には暗号資産市場の状況からは隔離されていると考えられていました。人気のBored Ape Yacht Clubなどの一部のトークンは、ユーザーがNFT保持者しか参加できないコミュニティやイベントにアクセスすることができ、市場が下落しているときでも価値を維持することができていました。

しかし、データを見る限り、NFTのフロア価格(最低取引額)はここ数カ月で低下しており、BAYC、Doodles、Cool Catsなどのトッププロジェクトでも約30%下落しています。

いまこそ質の高い NFT プロジェクトに取り組むべき

NFTがブームになっていたときはとにかく早くプロジェクトを立ち上げ、期待感を盛り上げて、NFTを売り切ることが重要になっていました。しかし、そのような突発的に立ち上げたNFTプロジェクトの多くは現在厳しい立場に置かれています。

しかし、このようなプロジェクトを反面教師にし、NFTの熱が収まったいまこそ、時間をかけ、質の高いNFTプロジェクトを立ち上げる時期に来ているのではないでしょうか?今であれば、NFTを早く売り出すというプレッシャーもなく、コンセプトやロードマップ、トークノミクス、キャラクターデザインやゲーム性などをデザインするのに時間をかけることができます。

NFTプロジェクトを成功させるためには、コアなコミュニティベースを作る必要があります。そのようなコミュニティを作るにも、よくデザインされ、長期的に継続可能な仕組みを作る必要があります。そのような仕組みを作るには時間がかかるので、この「冬の季節」から準備を始め、春になったときにすぐに行動できるようにしておきたいものです。

参照文献:Monthly NFT marketplace volumes fall 94% since the beginning of the year

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