史上2番目の ハッキング に北朝鮮が関与か?

米国財務省(The U.S. Department of the Treasury)は、先月発生したAxie Infinity(アクシー・インフィニティ)のブリッジに対する6億ドルの大規模な ハッキング の背後に北朝鮮のハッカーがいる可能性を指摘しました。まだ奪われた仮想通貨を押収できるかは不明ですが、ブロックチェーンの分析などを用いて犯罪を調査することは大切な作業です。

約6億2500万ドルのハッキングは北朝鮮によるもの?

外国資産管理局(The Office of Foreign Assets Control: OFAC)は、Lazarus Groupとして知られる北朝鮮のサイバー犯罪組織に属するイーサリアム(ETH)アドレスを特別指定国民および阻止者リスト(specially designated nationals and blocked persons list: SDN)に追加

ブロックチェーン分析会社のChainalysisも、同じアドレスがAxie Infinityのハッキングに関与していたことをTwitterで指摘しています。

人気play-to-earnゲームAxie Infinity専用に作られたイーサリアム連動サイドチェーンのRonin Networkは、3月下旬にTwitterでハッキングを発表し、Roninブリッジが173,600ETHと2550万USDコイン(USDC)、合計6億ドル以上の価値に相当する仮想通貨が盗まれたことを報告していました。

メタバース弁護士の見解

アメリカ合衆国司法省(DOJ) は過去に犯罪行為で得られた仮想通貨を押収しています。

最近では、2016年の仮想通貨取引所で起こったハッキングで盗まれた一部とされるビットコインを2022年2月8日に押収しました。36億米ドル超に相当する94,000ビットコインの画期的な押収で、これはDOJにとって過去最大の暗号通貨の押収であり、単一の金融押収としては同省史上最大となっています。

通常、盗まれた仮想通貨を押収するには、ウォレットにアクセスできる秘密鍵(Private key)を入手するか、現金化される際に用いられる取引所の協力が必要になってきます。

今回は北調整のハッキング集団が関わっているということなので、アメリカ政府が盗まれた仮想通貨を押収できる可能性は少ないと思いますが、ブロックチェーンの分析などで、犯罪に使われたと思われるウォレットやその持ち主を特定する作業はとても大切なことです。

参考記事:North Korean Hackers Behind $600,000,000 Attack on Axie Infinity (AXS), According to U.S. Treasury

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

メタバース知財と法務について

このサイトは、メタバースやNFT、クリプトゲームという最先端の分野における知的財産や法律の話題をまとめたものです。情報源は主に英語圏の媒体をベースにしていますが、日本語で書かれているだけでなく、専門家でなくても理解できるように解説されているメタバースやNFT、クリプトゲームに興味のあるアーティスト・ビジネスマン向けのサイトです。より詳しく>>

追加記事

NFT

著作権 切れ(間近な)作品はNFT化に最適?

著作権が切れた作品にNFT技術を用いてその価値を再定義することができれば、デジタル出版業界に革命が起こるかもしれません。著作権の枠に縛られない価値を生み出すことで、ファンを楽しませ、継続していける環境を作る、そんな取り組みが今後NFTを用いて行われていくのかもしれません。

もっと詳しく»
worry
メタバース

メタバース で今後必ず起こる5つの問題

メタバース は可能性に溢れていて楽しい空間ですが、より多くのユーザーがメタバースに入ってくるにつれて、いろいろと「問題」が起こってきます。今回は、今後 メタバース 内で必ず起こる(すでに起こっている)5つの問題を紹介したいと思います。最後には「おまけ」で中長期的な問題も予想しているので、参考にしてみてください。

もっと詳しく»
crypto
知的財産

暗号通貨は 商標 になるのか?

暗号通貨が広く使われるようになり、その認知力やブランドを守るために商標を出すことが多くなっています。しかし、 商標 を得るにはその名前やロゴが特定の条件を満たしている必要があり、暗号通貨はその特性上、条件を満たすのか不透明な点もあります。特に、保護対象、出所特定、創造的要素の3つの点についての問題に焦点を当ててみました。

もっと詳しく»