選挙キャンペーンに メタバース を使う政治家が現れる

日本では最近参議院選挙が終わったところですが、世界を見ると メタバース を政治活動に使う人達も現れました。献金を暗号資産で受け取ることもあり、政治の世界にもWeb3を活用した戦略が使われ始めてきています。

大統領候補が選挙キャンペーンを メタバース で行うと発表

チェコ共和国の大統領候補が選挙キャンペーンにPolygonを利用したメタバースを採用しました。チェコ大統領候補のカレル・ヤネチェク氏は、2023年の選挙に向けた選挙活動をSomnium Spaceメタバースで行う予定です。

政治家が暗号通貨による寄付を受け入れるという話は以前から聞いていましたが、更に進んで政治業界でもメタバースを活用する動きが見えてきました。

今回の選挙キャンペーンについては、Somnium Spaceと呼ばれるメタバースで行われます。Somnium Spaceからの公式発表は、7月3日(日)に行われ、 その発表にはこうあります:

この発表に関しては、Somnium Spaceが活用しているEthereum Layer-2のPolygonのPolygonの共同設立者であるSandeep Nainwal氏もツイートしています。

同氏によると、同社はカレル・ヤネチェク氏とパートナーシップを結び、2023年にチェコで行われる予定の選挙で同氏の大統領選挙キャンペーンを実施するとのことです。

大手企業の活動も活発だがスキャンダルも心配

多くの大手テック企業もメタバース領域で活動しており、Meta、Microsoft、Epic Gamesは、Metaverse Standards Forum (MSF)のために手を組んでいます。このグループは、AR、VR、Web 3、メタバースなどの新しい技術のためのオープンフォーラムを作ることを目的として作られました。

今までの選挙ではSNSの活用が注目されてきましたが、SNSの次はメタバースを活用した選挙活動なのでしょうか? アメリカの大統領選挙ではFacebookの活用が当たり前になって、2018年にはFacebookのデータを悪用したCambridge Analyticaのスキャンダルがありました。

ユーザーデータの取り扱いや管理体制がWeb3では異なることが予想されるので、メタバースでの選挙活動にもFacebookで起きたような問題が発生するかはわかりませんが、今後メタバースにおける選挙活動が活発になってくれば、様々な問題やスキャンダルが起こる可能性があります。

しかし、ソーシャルメディアは政治活動を大きく変えたように、メタバースも今後の政治活動を大きく変える可能性があります。政治活動による資金や人の流れはとても大きいので、メタバースでの政治活動が広まれば、メタバースの利用者が増え、それにより多くの資金が流れることによって、市場が急速に拡大することが予想されます。

参考文献:Czech Republic Presidential candidate choses Polygon-powered Metaverse for running campaigns

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